年の途中で海外FXをやめて国内に移したけど、今年の確定申告はどうなるんだろう……?
実はその年は、海外FXと国内の取引が同じ1年に並ぶんです。区分が違うので、整理のしかたがポイントになります。
海外FXから国内のFXやノックアウトオプション(KO)、プロップファームへ移した年は、確定申告の準備で迷いやすいですよね。海外FXの利益と、国内で出た損益と、プロップファームの報酬が、同じ1年の中に混ざるからです。
この記事では、区分が混ざる年の確定申告を整理します。海外FXと国内FXの区分は国税庁の案内、フィントケイの報酬の区分はフィントケイ社の案内、KOの区分は国税庁のNo.1522の枠組みに当てはめた当サイトの整理として、出どころを分けて書きます。損益通算・20万円ルール・申告書・住民税まで、順に見ていきましょう。
税額の計算や、ご自身が申告を必要とするかどうかの最終判断は、この記事では行いません。判断が分かれるところは、税務署や税理士への相談を前提に読み進めてください。
- 海外FX・国内FX・KO・フィントケイの報酬が、誰の案内でどの区分とされているか
- 損益通算と20万円ルールで、区分が混ざる年に気をつけたい点
- 申告書の種類と、住民税の手続きの考え方
移行した年の所得区分|海外FX・国内FX・KO・フィントケイ報酬を表で整理
確定申告は、毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得の金額と、それに対する税額を計算して確定させる手続きです(国税庁 No.2020)。取引先を移した年は、この1年の中に、海外FX・国内FX・ノックアウトオプション・フィントケイの報酬という別々の区分が並ぶことがあります。
それぞれの区分を、案内や根拠とあわせて表にしました。
| 取引・報酬 | 区分と課税の方式 | 案内・根拠 |
|---|---|---|
| 海外FX(市場デリバティブ取引にも店頭デリバティブ取引にも該当しない取引) | 一般的には雑所得として総合課税 | 国税庁 No.1521 |
| 国内FX(市場デリバティブ取引、または登録業者を相手方とする店頭デリバティブ取引) | 先物取引に係る雑所得等として申告分離課税(所得税15%+地方税5%) | 国税庁 No.1521・No.1522 |
| 国内のノックアウトオプション(KO) | 先物取引に係る雑所得等(申告分離課税)として扱う整理 | 国税庁の判断ではなく、No.1522の枠組みを当てはめた当サイトの整理 |
| フィントケイの報酬 | 雑所得での申告 | フィントケイ公式ヘルプ(国税庁の判断ではない) |
最終更新:26年10月
海外FXの区分は、国税庁が「一般的には」と添えて説明しているものです。KOは国税庁が名指ししているわけではなく、先物取引に係る雑所得等の枠組みに当てはめた整理で、フィントケイの報酬はフィントケイ社の案内です。ご自身の取引や報酬がどの区分に当たるかは、取引会社の案内や税務署で聞いてみてください。
ポイントは、総合課税の所得と申告分離課税の所得が、同じ年に並ぶという点です。総合課税は、各種の所得金額を合計して税額を計算する方式です。申告分離課税は、他の所得金額と合計せず、分けて税額を計算する方式です(国税庁 No.2240)。海外FXは一般的に前者、国内FXは後者にあたります。KOは、No.1522の枠組みに当てはめると後者として扱う整理になります(国税庁がKOを名指ししたものではありません)。移行した年は、この2つの枠が同じ年に並びます。
海外FXそのものの申告の流れは、海外FXの税金と確定申告の手順の記事で順を追って説明しています。この記事は、その手順を知ったうえで「ほかの区分と同じ年になったとき」に絞って進めます。
フィントケイの報酬|案内は「雑所得」、国税庁の判断ではない点に注意
プロップファームのフィントケイを使い始めた年は、報酬の区分も気になるところです。ここで誰が案内している内容なのかを、はっきり分けておきましょう。
- デモ口座の利益額は、データ提供料として利用規約にもとづいて支払われる
- 税務上は、投資による利益ではなく、データ提供料における報酬として雑所得で申告するよう案内している
- 詳細は管轄の税務署や税理士へ相談するよう案内している
- 確定申告の資料には、プランの購入や報酬の支払いに関する記録を使うよう案内している
上の内容はフィントケイ社自身の案内であり、国税庁が個別に示した判断として紹介しているものではありません。
報酬を受け取る年が海外FXや国内の取引と重なっても、案内元が違う区分を1つずつ見ていくことになります。報酬の申告で押さえたい点は、プロップファームの報酬は何所得になるのか、申告の注意点3つにまとめています。
損益通算|海外FXの損失と国内FXの利益は通算できない
移行した年に特に迷うのが、損益通算です。損益通算とは、ある所得で出た損失を、別の所得の利益と相殺することを指します。区分ごとにルールが決まっているため、組み合わせを表で見てみましょう。
組み合わせごとの通算の可否
| 損失が出た側 | 利益が出た側 | 通算 |
|---|---|---|
| 海外FX | 先物取引に係る雑所得等(国内FXなど) | できない |
| 先物取引に係る雑所得等(国内FXなど) | 海外FX(雑所得) | できない |
| 先物取引に係る雑所得等(国内FXなど) | 同じ区分の別の取引 | できる |
| 海外FX | 同じ雑所得の別の利益 | できる |
根拠は国税庁 No.1521です。海外FXの差損は、雑所得どうしなら通算でき、他の各種所得とは通算できません。
たとえば海外FXで損失、国内のFXで利益が出た年でも、その損失で国内FXの利益を相殺することはできません。国内側の利益は、その損失とは別に扱われます。
雑所得の損失は、雑所得以外の所得の金額とは損益通算できません(国税庁 No.1500・No.2250)。海外FXの損失を考えるときの前提です。KOを先物取引に係る雑所得等として扱う整理であれば、国内FXと同じ区分の話になります。取引会社の案内も見ておきましょう。
繰越控除は申告が前提
先物取引に係る雑所得等で、通算してもなお引ききれない損失が出たときは、一定の要件の下で、翌年以後3年内の各年分の先物取引に係る雑所得等から控除できます(国税庁 No.1521・No.1523)。この繰越控除を受けるには、確定申告が必要です。損失が出た年に申告し、その後も連続して付表を付けた申告書を出し続けることが要件になっています。
つまり、国内で損失が出た年は「利益が出ていないから申告しなくていい」と決めずに、繰越を受けたいかどうかを考えておくことが大切です。海外FX側の損失の繰越の扱いは、申告前に税務署または税理士へ問い合わせておきましょう。
KO側の税率や繰越の手順は、ノックアウトオプションの税金の記事に載せています。
20万円ルール|区分が混ざる年は税務署で確認
会社員の方が気にする「20万円」の基準は、区分が混ざる年ほど判断が難しくなります。まず、国税庁が案内している基準を確認しておきましょう。
給与所得者の基準と申告が必要な場合
- 給与を1か所から受けていて、その給与の全部が源泉徴収の対象で、各種の所得金額(給与所得・退職所得を除く)の合計が20万円を超える人(国税庁 No.1900)
- 給与を2か所以上から受けている人は、別の条件がある(国税庁 No.1900)
- 20万円以下でも、医療費控除などの還付申告をする場合は、その20万円以下の所得も併せて申告する(国税庁 No.1900の質疑応答)
- 先物取引の損失の繰越控除を受けたい人(国税庁 確定申告の手引き)
海外FXの利益は一般的に雑所得として扱われます。給与を1か所から受け、その全部が源泉徴収の対象の会社員の方は、この基準が関わってきます。給与を2か所以上から受けている場合など、細かい条件はNo.1900に載っています。
区分が混ざる年の判定
海外FXと国内FXの利益を、どう数えて20万円と比べればいいのか分からない……。
そこは自分で結論を出さずに、税務署で聞いておきたいところなんです。理由を見てみましょう。
国税庁 No.1900は、20万円の合計に入れない所得として、次の6項目を挙げています。
- 確定申告をしないことを選択した上場株式等の配当等
- 確定申告をしないことを選択した、特定口座の源泉徴収選択口座内の上場株式等の譲渡による所得
- 確定申告をしないことを選択した特定公社債の利子
- 源泉分離課税とされる預貯金や一般公社債等の利子等
- 源泉分離課税とされる抵当証券などの金融類似商品の収益
- 源泉分離課税とされる一時払養老保険の差益
この列挙に、先物取引に係る雑所得等は載っていません。
先物取引に係る雑所得等を20万円の判定でどう数えるかは、税務署で確かめてください。
相談する際は、区分ごとの年間の損益一覧と、フィントケイの報酬を受け取った場合はその支払いの記録を手元に置いておきましょう。税金以外も含めた海外FXと国内FXの違いは、7項目で比べた記事もあります。
申告書の準備|第三表の併用と提出前の4ステップ
区分が混ざる年は、使う申告書の種類も増えます。国税庁の案内に沿って、書類の組み合わせと準備の順序を見ていきます。
申告書と明細書
国税庁の様式一覧では、申告書第三表(分離課税用)は、申告書第一表・第二表と一緒に使うものとされています。使う対象の1つに、「申告分離課税の先物取引の雑所得等がある方」が挙がっています。
先物取引に係る雑所得等がある場合は、確定申告書に「先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書」を添付します(国税庁 No.1522)。繰越控除を受ける場合は、繰越損失用の付表も使います(国税庁 No.1523)。
準備の流れ4ステップ
書類の準備は、次の順番で進めると整理しやすくなります。
- 1月1日から12月31日までの損益を、海外FX・国内FX・ノックアウトオプション・フィントケイの報酬に分けて集計する
- 先物取引に係る雑所得等があれば、計算明細書や、繰越を受ける場合の付表が必要かを見ておく
- 国税庁の確定申告書等作成コーナーで、画面の案内に沿って金額を入力する
- 申告書を提出し、納税する
国税庁は、作成コーナーについて、金額等を入力することで必要な付表や明細書も自動的に作成されると案内しています(国税庁 No.1521・No.1523)。書類づくりに不安がある方も、まずは区分ごとの集計から始めましょう。
様式の名前や記載欄は、申告する年分のものが国税庁の公式サイトで案内されます。申告の時期が近づいたら、その年分の最新の案内を開いておきましょう。
住民税|確定申告をした人・申告義務のない人の違い
所得税の確定申告とは別に、住民税の手続きがどうなるかも気になるところです。国税庁の確定申告の手引きは、次の2つの場合を分けて案内しています。
所得税の確定申告書を提出した人:確定申告書が地方公共団体へデータで送信されるので、改めて住民税の申告書を提出する必要はありません。
確定申告書の提出義務のない人:原則として、市区町村へ住民税の申告書を提出します。詳しくは、お住まいの市区町村にお尋ねください。
注意したいのは、No.1900の20万円ルールは所得税の確定申告が必要になる場合の案内だという点です。所得税の申告をしない年の住民税がどうなるかは、お住まいの市区町村の窓口で聞いてみてください。
税率も、区分ごとに案内が分かれています。
- 先物取引に係る雑所得等:所得税15%に加えて地方税5%(国税庁 No.1521)
- 住民税(所得割):標準税率10%(道府県民税4%+市町村民税6%)。政令指定都市は道府県民税2%+市民税8%(総務省)
- 住民税の税率は、自治体が自ら定めるとされている(総務省)
- 所得税は、復興特別所得税と併せて申告・納付する
海外FXから国内へ移った年の確定申告に関するよくある質問
移行した年の申告で、迷いやすい質問をまとめました。
まとめ:区分ごとに整理して、判断が分かれる点は税務署へ
ここまで、海外FXから国内へ移った年に、区分が混ざる確定申告の注意点を見てきました。要点をおさらいします。
区分:海外FXは一般的に雑所得の総合課税、国内FXは先物取引に係る雑所得等の申告分離課税。フィントケイの報酬は、フィントケイが雑所得での申告を案内しています。
損益通算:海外FXと、先物取引に係る雑所得等の間では通算できません(国税庁 No.1521)。
20万円ルール:区分が混ざる年の数え方は、税務署の窓口へ。
申告書:先物取引に係る雑所得等があれば、第一表・第二表と一緒に第三表を使い、計算明細書を添付します。
住民税:確定申告をした人は改めての申告が不要。申告義務のない人は市区町村へ。
区分ごとに分けて集計し、判断が分かれるところは税務署で確かめる。この2つを意識して準備を進めましょう。
移行先の選び方は、ノックアウトオプションとプロップファームを並べた海外FXからの移行先ガイドが手がかりになります。
フィントケイの評価試験に合格するまでの記録は、フィントケイ体験談と注意点の記事に載せています。

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